3.価格競争という厳しい現実
入社して間もないころだったかな…「これはやばいな」と思う出来事があった。
毎日、取引先から父親宛にかかってくる電話。
内容は、数十年もの間、歯を食いしばりながら支えてきた
協力会社に対して、 理不尽な内容ばかりだった。
「現状の価格から数%協力しなければ、他に変えさせてもらいます!」
「他で相見積りを取らさせてもらうよ!」
会社の存続を脅かす内容だったから、緊張の連続だったね。
その時の父の表情や、凍りついた事務所の空気は、今でも忘れられない。
小さい会社だったから、売上もそんなにある訳でもなかったし、
売上構成比率も細分化されているわけでもない。
大口の顧客に売上の依存度が片寄った昔ながらの商売の仕方だったんだ。
取引きを切られたら…という恐怖感。
でも父親はそれを乗り越えていたんだよね。