12.はじめて知る、想像以上に高い食品の壁
当時、営業先でよく言われていたことが「面白いんだけど、食品は…ねぇ。ごめんね。」という断り文句だった。
食品で何かあったら、という怖さがぬぐえなかったんだろうね。
またか…、なんて肩を落として帰りの電車に乗るわけだけど、
商談の行き帰りの時間は本当にマイナスなことばかり考えていた。
「もうダメか」とか「やっぱり難しいのか。」とか…ね。
周りの幸せそうにしている人を見ては、自分の現実が、
あまりにもうまくいっていないことが強調されるように感じられて。
家に帰っても1人、事務所に帰っても1人、
相談できる相手もいない。苦しかったよね。
自分がこの事業を確立して、新しい収益の柱を作らなければ…
という重圧感もあったしね。精神的なバランスを保つのも大変だったよ。
それでも、訪問先の会社に着いた時には、
「よし!頑張らなきゃ!!」なんて自分を奮い立たせては、
“何とか魅力を伝えたい!!”という一心で事業の説明をしていたね。
そのお陰もあって 数々の訪問先では、仕事にはならなくても、
お会いした方々からヒントになるようなお言葉や、
アドバイスをいただいたりしてさ。
少しずつだったけど、この事業の“可能性”というか、
“光”のようなものを感じられるようになってきたよね。