9.段ボールに囲まれながら寝泊まり1ヵ月半。
それから数日後、「商品サンプルを送ったから」と連絡をもらって、カタログとサンプルが続々と倉庫に届いたんだよね。
あの量にはビックリしたな。
そこで可能性をつかんだわけだから、
まずは、事業を展開するにあたって必要なカタログを作ろうと思って、
カタログの構成を組み立て、お菓子の写真撮影から始めたんだ。
送ってもらったお菓子を段ボールから取り出しては、
商品ごとにバラして、撮影と画像補正の繰り返しを延々とやってた。
途中、気づけば自分のデスク周りは段ボールだらけ。
自分の姿が見えなくなるくらいの段ボールに囲まれて仕事をしてたのを思い出すね。
とにかく一人で何から何までやりながら、カタログを作らないといけなかったから、
ホント大変だったな。
初めての体験だったし、
デザイン学校に通ってはいたけど、
デザインソフトをそんなに使いこなせなかったしね。
結局、完成するまで約1ヵ月半。その間は、ほぼ徹夜。
途中で何度も、もう嫌だな…なんて思ったけど、
ホントよくやりきったと思うよ。
自分を褒めるわけでもないけどさ。
でも、完成したカタログを見た時は、何とも言えない気持ちだったね。
今、改めてこのカタログを見ると、ホントダサイなぁ、
なんて思うけど、内容は今の事業の根幹そのもの。
考え方は何一つ変わってないね。
この一冊のカタログが出来ていなければどうなっていたんだろうって
思うと怖くなるよ。